【織元・仕立て職人の紹介】

<織元の紹介>

野村織物 4代目野村周太郎

明治31年創業。色染めでは久留米絣では第一人者で定評があります。2017年、4代目に引き継がれました。柄ものも優れていて藍木野オリジナル亀甲柄、よろけ縞をはじめ大胆な柄から十字絣のような小さな柄まで、そして古典柄から新作までつい急進派奥深いものがあります。

平成4年、久留米のくくりの技術を後世に継承しようと久留米工業専門高等学校と久留米絣協同組合とコンピューター式自動経括り機の開発に取り組みました。世界で初めての機械なので動かしても失敗の連続でした。20年以上たった今でも苦労していますが、人の手と勘だけに頼って括っていた時に比べ様々な文様ができるようになりました。野村織物さんと藍木野でタッグを組んでこれまで20年間たくさんの柄を生み出して来ました。これからも次の時代に残るような柄と色を協力して作り出したいと思っています。


 

西原織物 3代目西原俊明

昭和初期創業。四重奏や黒のフォーマルドレスでおなじみの西原さん。昭和50年代からは手織り、藍染め、そして文人や白樺、四重奏など時代に合った物を開発してこられました。西原さんのすばらしさは独自の糸づくりにあります。より良い糸を求めて糸巻きに手を添えながらできていく白樺の糸、四重奏の糸を見ていると絣づくりのなかで織る過程は1/10に過ぎない、手間をかけて大切に作られているというのを心から感じます。白樺、四重奏はそうしてできています。

また10年ほど前から藍木野と共同で開発してきたフォーマルの反物は細い糸、太い糸色々な糸を組み合わせることによって、綿でありながら光沢のある織物になりました。今は息子さん、娘さんも手伝って頼もしいです。

 

 

染―田中比呂司(重要無形文化財久留米絣技術保持者会会員)

昭和45年久留米絣製造に従事。
数々の展示会に入選し平成20年には久留米絣新作発表会経済産業大臣賞を受賞。

藍木野の本藍染めは田中さんの染によるものです。
田中さんは貴重な日本の藍玉にこだわっています。

糸で染め、織っている藍染めの反物はたくさんの藍を吸ってしっとりと着るほどに馴染みとても気持ち良い肌触りです。少しずつ淡い色に変化していく藍を楽しんでいただけると嬉しいです。










久保織物・4代目久保誠

明治初期創業。昭和初期の全盛期には丈夫でしっかりとしていて長持ちする布団用や夜着用として文人柄や縞柄などもたくさん織られていました。

今でも色々な縞模様そして文人柄が有名です。また、久保織物は糸にもこだわり厚地の布、薄地の布、やわらかい布と研究され近年では「久保ストール」が人気で、海外にも渡っています。百年以上使っている織り機でゆっくりと織られるストールは肌に心地よく一年中楽しめます。

 




山下織物・3代目山下喜未輔

創業明治25年。平成16年に経済産業大臣賞を受賞。

夏に人気の夏絣や高級感のある60双の反物でおなじみの山下さん。文人柄で定評のある織元です。

夏絣は節のある糸を、糸と糸の間を少し開けゆったりと織っているため涼しくさらりと心地よい織です。そのため、糸がずれないよう経糸緯糸に数種類の特殊な糸を使用しているそうです。それでも糸切れやからんだりするので最新の注意を払いながら織りあげています。





<仕立て職人の紹介>

井上カツ子

縫製歴約60年。中学卒業後、熊本市内の紳士服の工場に住み込み見習い。

4年の見習い期間を終えて正式に採用される。その後独り立ちをして百貨店などのオーダーメイドの仕事をして腕を磨く。ご主人と高級仕立ての縫製の会社を立ち上げ現在に至る。

3年ほど前にご主人が倒れられてから、今は介護をしながら藍木野の衣を縫製してくれています。ミシンに向かう時間が安らぎですと。困難な縫い方こそ自信をもって縫製。細かい技が光ります。

 

 

小川正二

縫製歴60年余。一級技能士の資格を持つ職人さんです。同じ縫製職人の新井壮代さんとは長い親交があり、職人人生最後の仕事に日本伝統の久留米絣で腕を振るいたいと藍木野の仕事をしてくださっています。

女性が着るのでやさしいラインに仕立てているんだよ、と。




秋好清広・秋好菊野


縫製歴35年。ご主人の清広さんが柄合わせ奥さんの菊野さんが縫製を担当。
ご主人の柄合わせのセンスの良さ、確実さは初めから群を抜いていました。
「今までに藍木野の仕事ほど細やかな心配りのある縫製をしたことはないですね。」
50代の若い2人は藍木野を背負って立つホープです。